コラム32 職人
毎年根雪になる前に、うちの自転車は
「冬期、自転車預かります」
って看板を掲げる自転車屋に預けに行く。
高齢のおじさんが1人で経営しているお店で、
自転車を持っていくと、丁寧に自転車を点検して、
塗装がはげている部分、さびのある部分を書き入れ、
タイヤの減り具合や空気の状態などをチェックして紙に書き入れ自転車に張る。
おじさんは毎年100台もの自転車を預かるそうだ。
全部の自転車を一度分解してきれいに洗って、
塗装部分は塗りなおし、さびをとって新品同様にして春に返してくれる。
料金は1台4500円。
相場なのかどうかはわからないが、塗装料などを別途にとらないし、
4500円値の仕事は充分してくれる。
何よりも、自転車が好きなんだなあと感じる。
好きだからこそ、手抜きはしない。職人だ。
今、マンションの耐震構造の偽造問題で大変なことになっている。
私もマンションを購入したばかりで他人事ではない。
耐震計算を偽造するという行為がかなり尋常でないから、
他の設計事務所ではやってないことを祈るばかりだ。
でも、手抜きのないマンション工事なんてありえないだろう。
どこのマンションでも多少の差があれ、手は抜いてるだろう。
広く言えば、手を抜かないで仕事している人なんて皆無だと思う。
そう、一部の職人さんを除いては。
本当に一人で家内工業的に仕事をしていて、モノに対して並々ならぬ愛情を持っている職人は
手抜きはしないだろう。
設計の仕事も職人的だが、バックに組織が絡んでくるとその時点で職人ではなくなり、
組織の人間になってしまう。
手を抜かずに仕事してる人はほんの一握りだし、
世の中には欺瞞も嘘も絶対にあると思っていなければやっていけない。
Mistress Boo