コラム63  沖縄の光と陰

旧日本海軍司令部壕はひめゆりの塔から那覇市内に向かったところにある。

ここは爆弾から逃れるために、つるはし1本で海軍の兵士が穴を掘って

そこに司令部を作って作戦をたてたが、アメリカ軍が攻めてきてほぼ全員戦死

あるいは自決した場所だ。

その壕に一般の人でも立ち入ることができる。

ある部屋は幹部が手榴弾で自決した場所で、手流弾の破片が壁を傷つけた跡が生々しく残ってる。

思わず手を合わせてしまった。

この暗い壕の中で戦い抜くことを強いられた当時の軍の人達は、違う時代に生まれたら

もっと平穏で豊かな生活ができたかも知れない。

時代の巡り合わせが悪かったと簡単に言ってしまってはいけない

人の命は本当に尊いものだと考えさせられらた。

そして那覇の繁華街に戻ると、そこは明るい南国沖縄の顔だ。

でもこの明るい場所からほんの少し離れると、さっきの司令部の跡地やひめゆり部隊の跡地などなど

たくさんの戦争の傷跡が見える。

沖縄の負の顔。

「海がきれいだね、のんびりしていていいところだね」と呑気に言いながら行ってはいけない気がした。

今回ちゃんと戦争の跡を廻って良かった。

最終日は夫の那覇マラソンの日。

メイン通りの国際通りでは商店街の人達が応援態勢。

朝8時からやっているお店に入ると(沖縄は朝早く、夜早い。

朝8時から開いているお店があるが、夜は駅のキオスクが6時でしまう)

「がんばれ」のポスターを貼る準備している。

夫がマラソンに出ることを話したら「何て名前?」と

夫の名前をポスターに書いてくれている。

沖縄の人はいっけん無愛想だけど、心が素朴でいい人達に見える。

いつだったかある作家が本で「北海道と沖縄に悪い人はいない」

と書いていたが、そうかも知れない。

那覇マラソンは、3万人も参加する。

記録狙いの人、仮装して楽しむ人など様々だ。

沿道にロープを張って、ことあるごとに

「道路に出ないで下さい」

と叫ぶ北海道マラソンの実行委員に見せたいくらい、楽しむことを重視した大会だ。

悲惨な戦争体験があってなお、明るい南国で生きる人々の素晴らしい姿を見た。

Mistress  Boo

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